『相手と自分の「問題」「トラブル」「やるべきこと」を分けて考える』
アドラー心理学の考え方は子育てや夫婦関係にも役立てることが出来ます。その考え方のひとつに「課題の分離」というものがあります。
これは「相手の課題と自分の課題を分けて考える」というもので、課題というのは「問題」「トラブル」「やるべきこと」などと考えるとわかりやすいと思います。
例えば、親が子どもに「勉強しなさい」「部屋を片付けなさい」と何回言ってもなかなか言うことを聞かずに、ついには「あなたのためを思って言っているのに何で言うことを聞かないの?」とイライラしてしまう様な状況の場合
「イライラしてしまう」→親の課題
「勉強しない・部屋を片付けない」→子どもの課題
という感じで分けます。その問題を放置すると誰が困るのかといった考え方をすると、その課題が誰のものなのか判断しやすくなります。つまり「勉強をしない・部屋の片付けをしない」ことは子どもの課題で、親がどれほどイライラしても勉強・片付けのするしないを決めるのは子どもです。
また「イライラしてしまう」のは親の課題です。イライラというのは親の感情ですので、それをどの様に処理していくのかは親自身が決めることです。
イライラして勉強しなさいと怒鳴り散らしたり、代わりに部屋を片付けたりすることは子どもの課題を抱え込むことになり、余計にイライラしてしまいますし、子どもの自発的にやろうという気持ちが萎えてしまったりして、自立心が育ちません。
『自分と他者は対等という考え方』
「叱るな、褒めるな~」といった書籍が過去に出版され、何もしなくて良いのか?という勘違いをした人もいたようですが、そうではなく「褒める、叱る」といった上下関係による賞罰教育だと
「褒められないと何もしない。褒めてくれない相手を恨むようになる」
「叱られなければ自分からはやらない(バレなければ良いという考え)」
という相手に依存する人間になってしまいます。それよりも自立心を持ち自発的に行動する人間に育てるために「他者と自分に上下の差はなく、対等である」ということを念頭に置けば自然と接し方も変わって来ます。
例えば課題を分離して考えると「勉強しなさい」と叱るのではなく「勉強に興味を持つ環境を整える」「自分が子どもの時はこうやってやる気が出た」などといった接し方になります。
「馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」ということわざがありますが、水辺に連れていくのが自分の課題だとすると、水を飲むかどうかは馬の課題です。飲まないからといってイライラしてもしょうがない訳です。
「お腹を空かせた人がいたら、魚を渡してあげるのではなく、魚の釣り方を教えよ」ということわざも有名ですが、「その人にとって本当に必要なことは何か?」を考えて「人の課題まで抱え込まない」で「自分が考え得る最良の解決方法を教える」ことが親子関係を含めた全ての対人関係で悩まない秘訣になると思います。
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探偵歴21年の探偵事務所所長。メンタルケアカウンセラー・メンタルケア心理士・行動心理士。横浜・千葉・東京で気軽に相談出来る探偵事務所を展開中。神輿会など地元行事にも積極的に参加しています。