カウンセラーが教える日常で使える心理テクニック③「怒りをコントロールしてポジティブに」【前編】

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『怒りはコントロールできる』

苛立ちや腹立たしさと言った「怒り」を我慢できずに暴力的な言動や行動をとってしまうことは誰しも可能性があります。その際に怒りを我慢するとストレスが溜まってしまったり、違うはけ口を見つけて結局は怒りをぶつけてしまうことにもなりかねません。

DVやパワハラ、家庭内暴力なども「怒り」をコントロールできていない状態と言えます。また、常日頃からイライラしたり怒りっぽい人は傍から見ると近寄りがたく、健全なコミュニケーションが取れない人と思われてしまいます。

怒りを我慢するのではなく、上手に表現する「アンガーマネジメント」という考え方は非常に有効で、精神的にも肉体的にもメリットが大きく各方面で注目されている手法です。

怒り

「アンガーマネジメント」
いらいらや怒りを自ら管理し、適切な問題解決やコミュニケーションに結びつける心理技術のこと。1970年代に米国で始められた。いらいらや怒りを単に抑えつけるのではなく、その要因などを客観的に把握し、衝動的な発露をなくしていき、良好な人生を送れるようにする。企業からの注目も高まっており、社員研修などへの導入が進んでいる。(コトバンク)

怒りを管理するという考え方は様々なシチュエーションで活用できます。

・職場や仲間内などにおいて不要な人間関係トラブルを避けられる
・夫婦関係を良好な状態に保つことができる
・イライラなどのストレスを軽減して仕事の効率化が期待できる
・衝動的な言動や行動で社会的信用を失う事を防ぐ事ができる
・スポーツや競技で冷静に高いパフォーマンスを発揮できる
・家庭や学校における子どもへの情操教育にも有効

『衝動・思考・行動の管理』

具体的にアンガーマネジメントとは「怒る必要のある時は上手に怒れ、怒る必要のないことは怒らないようになること」とされており、おおまかに分けると3つのことを制御・管理出来るようになることが重要とされています。

・衝動の管理
・思考の管理
・行動の管理

「衝動の管理」
諸説ありますが心理学的に怒りの感情は一気にピークに達し、持続時間は約6秒とされています。この数秒の間に反射的に言い返したり激昂して暴力的な行動に出てしまう可能性がありますので、深呼吸をしたり、まったく別のキーワードを頭で繰り返し唱え意識を逸らしながら10秒ほど反応せずに、怒りの感情をやり過ごしてみましょう。

【後編に続く】